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翌週。
私、初めてお会計のときに「カードで。」って言ったんだけど。かっこよ。てかオトナ!
買ったのはカワイイ夏服。誕生日が来たし、自分へのプレゼントってことで♪万単位の買い物になっちゃったからカード払いにした。
「すご!美嘉、カード??」
私の支払いを目を丸くして見つめる凛奈。私はカードを口元に当てながら、ちょっとだけ得意げに笑った。
「まーね。超便利だから凛奈も誕生日来たら作った方がいーよ?」
成人ってやばい。親がいなくても、こういうことできちゃうんだもん。自由の幅が広がったみたいで嬉しい。
あ、大丈夫!
ちゃんと気をつけてカード使ってるよ!
でも、やっぱり慣れって怖いよね。
「カードで!」
ちゃんと自分の貯金額は把握してる、把握した上でカード使ってる。
使ってるけど、気持ちが大きくなっちゃったのは否定できない。手元に現金やチャージがなくても、買い物できるっていうのはやっぱり凄い。あと、ネットショッピング。一回クレカの情報登録したらその後は入力不要だし、これは便利だわ。
「美嘉は社会人とかになったらボーナスが全部カードの返済で消えてくタイプね。」
放課後、制服でママと一緒に買い物に行って、私の会計を見ていたママに言われた。私は口を尖らせる。
「そんなことないし!何、カード使うなとか言いたいの?」
「いーえ。美嘉のことは美嘉に任せることにしましたっ。もうママは口出ししません。でもローン組むのは絶対だめよ!あと消費者金融!!」
「そんなことしないってば。」
クレカで買ったkate spadeのバッグの袋を見下ろしながら私はニッコリ。このバッグ、めっちゃカワイイし、使い勝手良さそう。
高校生だもん、みんなブランド品くらい持ってるし、使ってる。それが当たり前。でも親はそれをなかなか理解してくれなくて、買ってくれない。だから自分でクレカ作って持てるようになったの、本当にありがたい。
「成人年齢が18歳になってよかった♪」
私がこう言うと、ママは苦笑いした。
「成人って言うけど、あなたはまだ親の庇護下で、大人の美味しいところをつまみ食いしてるだけでしょ。」
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