18歳。

6/9
前へ
/10ページ
次へ
「申込書兼合意契約書…?こんなワケが分からないもの子どもに書かせるなんて!!」 「子どもじゃないですよ、奥さん。美嘉ちゃんはれっきとした大人です。ワケがわからないならサインしちゃいけないなぁ〜〜。」 男性はこう言ってコロコロ笑う。ママは青筋を立ててその契約書を奪い取ると、それをビリビリに破った。そしてそれをグシャグシャに丸めてバッグの中に突っ込む。 「こんな契約無効です!!貴方、警察に連絡先しますから!!行くわよ、美嘉!」 ママに引っ張られて、私はもつれる足で歩きはじめた。その刹那、男性が私にだけ聞こえるように囁いてきて。 「あーあ、残念。 契約書、なくなっちゃった。 美嘉ちゃん、次から気をつけな?悪い大人はね、君たちのこと、ヨダレ垂らして待ってたから。」 ……!! **** 帰りの電車は、ママは無言だった。 私も無言。 ママ、ママ、ごめんなさい、違うの、だってあの人が講習会って言ってきて、あの紙がどういうものなのか全然説明されなくてっ… だから…っ、 「え…?」 スマホに、メールの着信が表示された。 それは、身に覚えのないクレカの利用速報通知だった。その額、30万。 えっ、え、 えっ、 え!!? 「ママ、ママっ…、どうしよう!!これ、知らない、私こんなに使ってない、これ知らない!!」 パニックで、ママにすぐメールの画面を見せた。 どうしよう、これ、どうしたらいい!? ママは険しい顔でメールを見て、そして言った。 「…カードを止めないと。」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加