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転入生
私は、生まれつき体が弱い。
前から身体の為に田舎に住んでみようかという話があったけど、作家の父が一年限定で田舎に住んでそれを小説に書きたいと言い出した。
だから、この村にやってきた。
空気は美味しいし、木々からはマイナスイオンを感じる。野菜もキノコも美味しい。
でも、同じ学校の人達は、大変そうだ。
常に人の目を気にして、自分に与えられたキャラを演じている。
都会とあんまり変わらないな、と思った。
東京の学校だって、ヒエラルキーがあって、お笑いキャラ、優等生キャラ、ギャルにインキャがいたから。
今日も朝陽が山向こうから昇る。
私は学校に行く支度をして、靴を履く。
ドアを開けてひとつ深呼吸をする。
行ってきます。
私は転校生を演じるために。
今日も生きてく。
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