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君へ
君は傍観者だ。ただ生きて、僕らを見ているだけでいい。
君はなにも考えなくていい。考えながら生きるのは辛いだろう?
僕らは泥舟に乗っている。いつのまにか乗船していたこの船の行き先は無。
これは死ぬまでの旅路だ。
所詮、この村に生まれた人間は、死ぬまでここから逃れられない。
でも君は違う。
君はこの村じゃない、遠い街で生まれた。おそらく就職も、結婚もこことは縁もゆかりもない所だろう。
おめでとう。
僕らのことをほんの少しだけ覚えていて、ここよりも都会で思い出してくれるなら。
僕らが生きた意味もあったのかもしれない。
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