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沙羅「海の恵みに感謝して、海洋開発への理解を深めるためにね」
鳴「沙羅は、退屈?」
沙羅「そりゃ、子供の頃から何度も来てるからね」
鳴が、窓の外を再び見つめる。
○JNGX社海発記念館・前
高台に位置するガラス張りの二階建ての建物。
○同・館内・展示室
館内を見学する帯屋町高校の生徒達。
その中、パネル展示を見て歩く坂東、鳴、沙羅の姿。
沙羅「で、いつもどおりの見学コース」
近くに椿姫の等身大パネルが置かれている。職員がそのパネルを撤去する。
その様子を見ている坂東。
○同・ガイダンスシアター
椅子に座りスクリーンを見ている坂東、鳴、沙羅。
スクリーンには、『JNGX社メタンハイドレート資源海発史』の文字。
ナレーション「この映像は、JNGX社が進めたメタンハイドレート資源開発の記録である」
映像が切り替わり、土佐湾の海と地図。
ナレーション「JNGX社は、スーパーメジャーと肩を並べる世界屈指の資源開発企業である。JNGX社の資源開発は、三つの基幹事業から成る」
土佐湾に『中土佐帽岩』の文字が表示され、海上に鉄骨造りのプラットフォームの映像に切り替わる。
ナレーション「中土佐帽岩上でメタンハイドレート採掘を行うための洋上プラットフォーム建造」
プラットフォームからトンネルが延び、陸上に繋がる映像。
ナレーション「採掘された資源を安全に輸送する海上トンネルの建設」
陸上にメタンハイドレート備蓄基地が構築される映像。
ナレーション「そして、資源を精製・販売するためのメタンハイドレート備蓄基地の整備である」
三つの映像が背景となり、椿姫の全身が前面に洗われる。
ナレーション「これらの事業をわずか三年で成し遂げたのが、JNGX社の創設者である椿姫である」
映像を見ている沙羅がつぶやく。
沙羅「ここは、差し替えられなかったわけね」
坂東が苦笑する。
○月観浜・ビーチ
砂浜に打ち寄せる波。
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