声掛け

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声掛け

ねぇ、隅っこで丸まって 悲しそうに俯いてる君 ねぇ、指を咥えていないで こっちにきて 本当は声をかけたいけれど 勇気が出なくて 口を噤んでる 君に変なあだ名が つかないように ただただ、見守っているばかり まるで私じゃないみたい ねぇ、眠い目をこすりながら お昼寝から覚めたら ねぇ、お砂場へ行こう おままごとがいいわ 浮かぶ雲を数えていても 月の裏側に何があるかも きっと先生は はぐらかすだけだから いちご狩りをしよう プール開きになったら… でもね、何だか 声をかけられない 君は確かにここにいるはずなのに 誰も触れずに私を見るばかり 私をみる、みんなの顔が いつもの私じゃないみたい どうしてかしら? ふいに涙、あふれ出して 私をみる、みんなの顔が いつもの私じゃないみたい…
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