へのへの彼氏

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「ぎゃーーーーーー!!!」  私は必死で逃げた。  へのへの彼氏も全速力で追いかけてくる。  よくある、「あはは」「うふふ」なんて少女漫画の追いかけっこ…のような可愛いもんじゃない。ガチの逃げあい。  そして、へのへのもへじの顔が迫ってくる恐怖。  彼はどこ。何をしてるの。あの人は誰?というか人なの?!  急いで、家に帰ると、「おかえりー」朗らかなお母さんの声が聞こえて安心する。  起こったことを早く説明したくて、お母さんに駆け寄る。 「ねぇねぇ、お母さん、彼氏の顔がさぁ…」  と話しかける。  お母さんが振り向くと、へのへのもへじ。 「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」  私は自分の部屋に篭った。  ドアに鍵を閉めて、毛布を頭から被って。床に蹲って。  どんどんと、扉を叩いてる音が聞こえる。 「怖い、怖いよぉ…」  そのまま、泣いた。どうしてこうなってしまったのか不安でたまらなくて、途方もなく泣き続けた。    
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