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「んな気ぃ遣わなくていーのに。でもサンキューな」
「あら!ラピスのチョコ、私大好きなの!ありがとうミーコちゃん!」
「オレも好きです!あざーす!」
「お前ら、食い付き良過ぎだろ」
麻美さんと悟さんがすかさず良い反応をするもんだから、優しい笑みを浮かべていた顔を苦笑に変えて突っ込む坂崎さん。私も釣られて笑ってしまう。
この和気藹々とした居心地の良い空間で、私は坂崎さんに全てお任せのカラーとカットをしてもらった。
ちなみに麻美さんは坂崎さんと同い年のスタイリストで悟さんは坂崎さんより五個下のアシスタントらしい。
カラー剤が浸透するまでの待ち時間で、麻美さんが本当にネイルもしてくれて。
ピンクグレージュのシンプルなネイルだったけれど、綺麗に色付いた指先はそれだけで私の女子力とテンションを上げてくれた。
結局この2時間半程の時間は、ちょうどキャンセルが出たとかで他にお客様が来ることもなく、私は坂崎さんの魔法の手をゆっくり堪能することが出来た。
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