真夜中文芸部には闇がある

1/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

真夜中文芸部には闇がある

「あああああああもういやあああああああああ夜よ終わるなああああ!!」  深夜、職員室の灯かりすら消えた頃の中学校。校舎内で唯一光が消えていないパソコン室の中では、一人の少女が絶叫していた。  大きな瞳のかなり可愛らしい顔立ちだが、黒髪ロングを振り乱してパソコン室で奇声を発するというシチュエーションのせいで、B級ホラー映画のモブと化してしまっている。 「林さん、諦めてハウスしなさい。もう無理だから。今十一時ニ十分四秒だから」  そしてその傍らにもう一人、B級ホラー映画モブ少女を林さんと呼んで腕時計を確認しているのは、林さんに負けず劣らず……というか圧勝の超美少女。  パソコンにへばりついている林さんとは違い姿勢をスッと正して立ち、「見る」より「観察」に近いクールな視線を、目の前のB級ホラー映画珍生物に向けている。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!