虎に鈴

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ネズミの王様は困り顔で皆に尋ねました。 「このままだと、我々ネズミは一匹残らずトラに食われてしまう。どうしたらいいだろう。」 若くて足の速いネズミは提案しました。 「皆で遠くに逃げましょう。」 病気のネズミは悲しい顔で言いました。 「私は走れません。どうぞ元気な方々で逃げて下さい。」 ケンカっ早いネズミは提案しました。 「若い元気なネズミたちで力を合わせてトラと戦おう。トラは大きくネズミは小さいけれど、皆でいっせいに飛びかかればトラに勝てるさ。」 臆病な若いネズミは震える声で言いました。 「僕は怖くてトラに飛びかかることなどできない。考えただけで震えが止まらない。」
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