青は蒼によって生きる

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青と蒼は、一卵性の双子だった。 赤ん坊のころから、兄の蒼は、弟の青に、何もかも(まさ)っていた。 ハイハイし始めるのも、蒼が、初めだった。 青は、蒼に随分遅れていたし、一般的に見ても遅かった。 当然のように、言葉を話し始めたのも、蒼が、最初だった。 青は、両親が心配する程、言葉を話さなかった。 青は、もう、分かっていたのだ。 これから、生きていても、自分は、すべてにおいて、蒼に劣っていると。
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