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「カイくんてどこ出身?」
ユミちゃんが訊いた。
他人事ながらちょっとハラハラしてる。なんて答えるつもり?
私が訊いた時はこう答えてた。
『ほっ……か、海王星、的な?』
『海王星!? すごいじゃん!聞いたことある!どの辺にあるの?地球と似てる?』
『太陽系の端っこ。地球とは似てないよ』
『そうなんだ。そこはどんな星なの?』
『寒いよ。氷だらけで、風が強くて、ダイヤモンドが降ってる』
『え、なんかロマンチック』
『でも超くさい。メタンでいっぱいだから。音速超えの速度でメタンの風が吹いてんの』
『それやば。でもさ、あのロケット花火でそんなとこまで届いたんだね』
『あー……ロケット花火じゃ……そのー、各星を巡回してる郵便屋みたいのがいてさ、ユーリみたく誰かが送ってくれたメッセージを回収してるの』
『そっかー、それがはるばるカイの手に渡ったのかあ。奇跡じゃん』
『奇跡ねえ。そうかもな、こうやってユーリと会えたし』
そこで微笑みますか。
地球ver.のカイはイケメンだ。イケメンだけどどこか懐かしいような、カイに微笑まれると眩し過ぎて直視できなくなる。
はい、回想終了。
日本の地名でも教えといてあげればよかっ――
「俺、北海道出身。札幌。豊平ってとこ」
おい。
地元一緒やん。
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