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「あれ? 優莉も北海道じゃない?」
「……うん」
「札幌だよね?」
「……豊平」
「うわ同郷!」
みんなが興奮して前のめりになる。
そりゃそう。そういう話題って盛り上がるもん。
「えっ、えっ、じゃあ、学校同じかもよ?」
ここはカイに話を合わせてやるべきだろーか。
じっと見つめて様子を伺うけど、カイはふいっと目を逸らして、慣れた手つきで枝豆のさやを唇にあて、前歯で軽く噛んで豆だけを口に入れた。
あんまり美味しそうに食べるから、私も思わず枝豆に手が伸びる。口元に持ってきたところで、カイが初めて私に話しかけた。
「ユーリはどこ小」
「……西小」
「俺も」
違うだろお!
こんなイケメンいないわ!
嘘に嘘重ねてどうする。最後は雪だるまになっちゃうんだぞっ!
「ちょっとー同級生じゃん」
「覚えてない……うちの小学校人数多かったからさ」
一応逃げ道作ってやったのに、あいつはそれを踏みにじりにくる。
「俺は覚えてるけど?」
ごらぁーーー!
自ら墓穴掘ってどうする!
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