#4 試金石

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ラハイアは次のカードを配った。  サワサキは7のワンペアでBBをコール。ジュディスはチェック。  カード交換、サワサキはワンペアが見透かされやすい3枚交換を避け、7ペアに加え手の中のAを残し2枚交換。  対するジュディスは1枚だけ交換し、60スタークをベットした。  お互いチップは200ずつしかないのだから、かなり強いベットだ。  狙っていたであろうストレートもしくはフラッシュの完成を意味しているのか、あるいはブラフ(ハッタリ)ブラフか。7のワンペアではいささか心許ないが、サワサキはジュディスの手を確認したくなった。   「コール」 同額のチップを押し出し、コールを選択。 ショーダウン(手を見せ合う)。 ジュディスは6、7、8、9、10のストレート。 ブラフではない、手が入っていたのだ。 「あなたはコールすると思っていた。たとえ不利になると判っていても」  わずか2戦でジュディスのチップは200から320に、サワサキは残りわずか80となった。次で決まってもおかしくない状況だ。  そして次戦の5枚が配られた。  サワサキはカードを手に取ることなくBBの20スタークをベットした。  ジュディスは1枚交換したが、サワサキは動かない。 「サワサキ、チェンジは?」  ラハイアが尋ねる。 「そのままでいい」  サワサキはカードを見ずに答える。
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