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毎日、同じことの繰り返し。
誰にでも出来る仕事。誰にでもある日常。
それでも生きていくためには、きっと働き続けなかればいけない。
入社してもう15年になる。
結婚も出来ずに、だらだらと同じ日々を繰り返すことになにも感じなくなっていた。
誰かが言うコソコソ話さえも、もうなにも感じない。
ただ、一日が過ぎるのをじっと我慢していた。
ふと、パソコンを打つ手を止め、あの日のことを、紗英は思い出す。
いつでも会える、なんてどうして思ってしまったのか思い出せない。
あの日。祖父がいなくなった日。
病院にお見舞いに行くことも出来なかった。
この忙しさが落ち着いたら会いに行こう、なんて馬鹿みたいだった。
会いたいって思ったら、会いに行くべきだった。
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