2人が本棚に入れています
本棚に追加
眠り
奇妙な場所にいた。奇妙な空間、奇妙な化け物、何一つわけがわからない。
化け物が手を差し伸べてくる。しかし、この不思議な空間の情景は、少しずつ、私から遠ざかっていき、見えなくなった。
「はっ」
目が覚めた。私の家だろうか。瞼が少し濡れているのがわかった。
目覚まし時計がうるさく鳴り続けている。私はそれを止めた。そして、布団から足を出し、ぼーっとしたままベッドに座っていた。
「学校、行かなきゃ」
家を出ようとすると何やらニュースの音が、テレビから聞こえてきた。
『昨日未明、二人の女性の遺体が発見されました』
その時私はパジャマ姿ではなく既に制服姿だった。いつ着替えたのか覚えていない。とにかく今は学校に行こう。
『同じ手口での犯行から、警察は同一犯の犯行であるとみて捜査を続けている模様で―』
ドアを閉めた。そこからいつものように歩いて学校を目指した。
しばらくして学校についた。教室に入り席に着く。
「退屈だ」
周りも少しうるさい。
「トイレにでも行こう」
廊下に行っても周りが何やら話をしている。
「怖いわぁ」「可哀想に」「恨みでもかってたのかしら」
あれ?
「ここより前にはいらないで」「誰か死んだんじゃない?」
何かがおかしい。嫌な気分。怒りが込み上げてくる。身体に力が入らない。
ああ、そうか。
こっちも夢か。
最初のコメントを投稿しよう!