眠り

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眠り

奇妙な場所にいた。奇妙な空間、奇妙な化け物、何一つわけがわからない。 化け物が手を差し伸べてくる。しかし、この不思議な空間の情景は、少しずつ、私から遠ざかっていき、見えなくなった。 「はっ」 目が覚めた。私の家だろうか。瞼が少し濡れているのがわかった。 目覚まし時計がうるさく鳴り続けている。私はそれを止めた。そして、布団から足を出し、ぼーっとしたままベッドに座っていた。 「学校、行かなきゃ」 家を出ようとすると何やらニュースの音が、テレビから聞こえてきた。 『昨日未明、二人の女性の遺体が発見されました』 その時私はパジャマ姿ではなく既に制服姿だった。いつ着替えたのか覚えていない。とにかく今は学校に行こう。 『同じ手口での犯行から、警察は同一犯の犯行であるとみて捜査を続けている模様で―』 ドアを閉めた。そこからいつものように歩いて学校を目指した。 しばらくして学校についた。教室に入り席に着く。 「退屈だ」 周りも少しうるさい。 「トイレにでも行こう」 廊下に行っても周りが何やら話をしている。 「怖いわぁ」「可哀想に」「恨みでもかってたのかしら」 あれ? 「ここより前にはいらないで」「誰か死んだんじゃない?」 何かがおかしい。嫌な気分。怒りが込み上げてくる。身体に力が入らない。 ああ、そうか。 こっちも夢か。
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