眠り

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夏希がいない退屈な学校での時間を過ごす。とても体が重い。 家ではお母さんと喧嘩をし、学校にきても夏希が居なくて退屈だった。 頭の中がぐちゃぐちゃで、何も考えられないまま時間が過ぎていった。 弁当を家に忘れていたが、お昼になってもお腹がすくことはなかったため、どうでもよかった。 もう下校時間か。家に帰ろうと思ったけど、お母さんと顔を合わせるのが気まずい。 私は重い腰を持ちあげ、教室を出る。 私だってお母さんの力になりたいだけなのに、どうしてわかってくれないんだろう? 家に帰りたくなかったので、遠回りをして帰ることにした。 スーパーマーケットのある方面だ。何か買い食いでもしようか、なんてことを思いながら歩いていると、いつもは見ない光景を目の当たりにする。 何やら路地裏に野次馬ができている。 いつもなら気にも留めず通り過ぎているけど、今日は少し見に行ってみようと思った。できるだけ家に帰るまで時間を長くしたかったのかもしれない。 しかし何か嫌な予感がする。それは沢山パトカーが止まっていたせいだ。 何か事件が起こっているのだろうか。 「ここより前にはいらないで」「誰か死んだんじゃない?」「殺されたの?可哀想に」「恨みでも買ってたのかしら」「怖いわぁ」「見て、ここから遺体の顔が」 周りから色々な声が聞こえる。殺人事件? 人ごみをかきわけ警察の包囲の隙間を覗き込んだ。 ほんとだ、遺体が見え、え、え、え。 あれ?どう、いう、おかしい、どうして? ショックを受けた私は意識を失った。
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