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新婚ではないので、お決まりの台詞ではなかったが、疲れは少しピークに近かったので前者を選んだ。お風呂はあとでいい気がしたので。
リビングに行くと、机の上には色々な紙が散らばっていた。
「おお、ごめん! 卒業制作していたのでね?」
四年生になったのだから、怜にも卒業論文やら制作があって当然。就職活動については、実は……。
「ホテル勤め決定したから……こっちに集中出来るんだっけ?」
「そうなのだよ! ほんとありがたい!!」
怜としては、就職活動を始める前々から狙っていたらしいが……一応就職活動を始めると上司らに告げたら。
『眞島ちゃんが嫌じゃなきゃ、うちで本格的に働かない!!?』
と、半分くらい泣きついてきた紫藤の懇願もあり、無事に研修生としてのバッジを今年手に入れたそうだ。総支配人なども、是非と言ってくれたお陰もあるそうで。
だから、怜は大学の卒業制作に力を入れる方に集中出来るのだ。
怜はひとまずまとめてから、コーヒーを淹れるのに電動ミルやヤカンを動かしていく。その後ろ姿を見ているだけで……ああ、この子と今生活しているんだと実感が持てる。
「ほい、こもやん」
引っ越しの後に、揃いで買ったマグカップに……怜はコーヒーを淹れてくれた。
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