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「我が木瀬川家は兄と2人暮らしです。兄はいつまでも私が子供だと思っているので、甘やかしてきますけど」
「両親はフリーの鳥類研究者で海外によく調査に行っていました」
「スマホ、本当はクソ兄のなんです。周りが持っているのに自分だけ持ってないのが嫌で、貸してもらって。親が行方不明だから新しく契約もできないとかで」
片鱗を聞くだけでも苦労が伺えます。
「優しくしてくれたの、緒方さんだけだったんです。偶然出会ったのに、親身になって話を聞いてくれて」
「えっと、警察とかご親族の方は......?」
「その辺りの詳しい事情は兄しか知りません」
バイト帰りの緒方さんと河原で出会ったナオちゃんは勉強などを隔週で見て面倒を見てもらっているとのことでした。緒方さんはまだご自分のことをあまり喋ってくれないので、私には初耳でした。
(そういうこと、話してくれたら役に立てるんですけどね)
その後、ドライヤー後のひんやりスイカアイスを堪能した直ちゃんは疲れたのか私のベッドで寝てしまいました。私の服はほとんど身長が変わらないせいか直ちゃんにぴったりで少し複雑です。
(直ちゃんの下着とか干さないと)
洗濯機を開けた私は異文化体験をすることになるのです。
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