7個差のタルト・タタン[後編]

22/43
前へ
/68ページ
次へ
「空回りでも、誠意が伝わらないよりはマシ!」  この感覚は私にとって覚えのあるものです。この残念な感じ。 『そこで一方的に割り切るからーー受け取る方は困るんですよ。私にも不器用な従兄が居るんです。私のことを思って色々頑張ってくれていたらしいのですが、絡み方が嫌で今でも絶賛喧嘩をしています。欲しくないときの愛情の押し付けって、気持ちが悪いんですよ』 「気持ちが悪い」 『私たちは関係として失敗してしまいましたが、翠さんは失敗する前に心を入れ替えることがまだできるんじゃないですか?』 「里依たん……」  翠さんを七星 歩夢にしてはいけません。私はない頭を必死に絞って、考えます。 『こういうプレゼントはどうでしょう?』
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加