120人が本棚に入れています
本棚に追加
「は?えーと、どういう…」
健は、話が1度では理解出来ずに聞き返す。
「ごめん、ほんとに申し訳ない!」
アパートに到着すると、いきなり大家に頭を下げられた。
「こっちの手違いで、三月いっぱいで前の人の契約終わるって思ってたんだけど…
今住んでる人、入居が四月の中頃だったからさ、四月いっぱいまでの契約だったんだよ」
父親のような年齢の男性にひたすら謝られ、恐縮してしまう。
けれど、こちらは友達も知り合いもおらず、行くところがないのだ。
「で、さ。男の子同士だし、1ヶ月だけ一緒に暮らせないかな?ほら、最近流行りのルームシェア?とかいうやつ。一応2部屋あるし。相手さんには、許可取ってあるから。家賃は折半ってことで」
「はあ…」
こういう時に、カッと怒れない性格で、ずっと損をしてきた。
けれど、こんなに頭を下げられては、仕方がない。
「分かりました」と行ってとりあえず部屋に案内して貰うことにした。
最初のコメントを投稿しよう!