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ピンポン♪ 「はあい」 元気な声と共に、ガチャと合板のドアが開く。 「あー、ごめんね。向山(ムカイヤマ)さん。昨日話した学生さん来たんだよ」 「ああ、はいはい」 (うわ、デカ……) 顔を覗かせた男が余りに大きくて、健は少々ビビる。 怒らせたら簡単に殺られる…と自分の身を案じた。 「初めまして。中津川(ナカツガワ)と言います」 ぺこりと頭を下げた。 「うんうん。話は聞いてます。あ、大家さんもういいですよー。あとは、二人で話すんで」 大男が言って大家は、ごめんね宜しく、と帰って行った。 「ま、どーぞ、どーぞ。むさ苦しいとこだけど」 「あ、はい。失礼します」 今日から自分の部屋になるのに、緊張しながら部屋に入った。 案外綺麗に暮らしているようで、キッチンも六畳の居間もその隣の四畳半の和室もスッキリしている。 「荷物届いてたよー、こっちに置いてある」 「あ、すいません」 健は、ペコペコと頭を下げた。 四畳半の和室に段ボールが三つ積み重なっている。 間違いなく自分が梱包した物で、少しホッとした。
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