秘密のアルバイト

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秘密のアルバイト

翌日。 大学の入学式も無事に終わりホッとしていると、スマートフォンが鳴った。 大和からだ。 『もしもーし、学校終わった?』 大和も同じ大学のOBで、学校のことに詳しく、色々と教えて貰っていた。 「あ、はい。今、終わったとこです」 『じゃあさ、正門のとこまで来てくれる?』 「分かりました」 健は、まだ慣れない大学のキャンパスをキョロキョロしながら、正門に向かう。 まるで大和自体が待ち合わせ場所の目印のように、デカくて目立っている。 すぐに分かって「大和さーん」と声を掛け、手を振った。 「おー、お疲れ様」 大和が白い歯を見せて笑ってくれて、健はホッとする。 まだ顔見知り程度だが、知っている顔に会うと無条件に心が落ち着く。 大和にそういう効果があるのかもしれないが。 自然と笑みがこぼれた。
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