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和香
大学の夏休みは長い。
アルバイトを週に四日入れ、あとの三日は家のことをしたり大和と過ごすことに決めた。
そうやって充実の夏にしよう、と思っていた矢先。妹の和香からスマホに連絡が来た。
『お兄ちゃん、遊びに行ってもいい?』
こっちに来てからあまりにも色々ありすぎて、すっかり忘れていた。
『いいよ、いつ来る?』
慌てて返信をした。
中学生になった可愛い妹に洋服なんかも買ってやりたい。
それに和香が行きたがっていた遊園地にも連れて行ってやりたかった。
1週間後に遊びに来る、というので東京駅のホームで待ち合せることになった。
__
「え?妹さん?」
大和に話すと、俺も迎えに行きたい、と言い出した。
和香は男性恐怖症で、健と父親以外の異性とは、ほとんど話さない。
「健くんの妹さんなら可愛いだろうねえ」
勝手にワクワクしている大和に申し訳ない気持ちになった。
「あのさ、大和さん」
「あ、ごめんね、もう行かなくちゃ!また帰って話聞く!」
大和は時計を見て、バタバタと出勤して行った。
またゆっくり話せばいいか、と思い直し、健も大学に行くために準備をして部屋を出た。
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