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ナオフミさんって業務以外のコトで特にプライベートなことは触れて欲しくありません・・・そういうクールなタイプだと思っていたのに
伶菜は俺のものですって
思いっきり独占欲丸出しというか・・・
『えっ、そんなこと・・・いつから?』
「伶菜がこの病院に赴任したその日からだ。」
『ナオフミさん、私との関係、隠したかったんじゃ・・』
「その逆。とっとと公表して、病院でも堂々と一緒にいる時間を作りたくてな。昼飯を一緒に食いながら、休日、祐希達とどこ出かけようか?とかゆっくり話ができるだろ?」
『そ、そうだね。』
産休前
確かにナオフミさんと私の休日がピッタリと重なることは少なかった
顔を合う日をいちいち前持って確認し合うぐらい
だから彼がそんな風に考えていてくれてもおかしくはないよね?
「それなのに、なんでか、伶菜は結婚したことを隠したがるし。」
だけど、まだ右往左往していた新人の頃に結婚している事実を公表したら
“日詠先生の奥さんに見合う人材じゃない”って半端ない叩かれ方をしていたと思う
今でもそれはあり得ることだけどね
だから言い訳ぐらいはさせてもらおう
モテるという自覚が殆どないこの人に・・・
『ナオフミさん、とにかくモテるんだもん。隠したくても仕方ないでしょ?』
「モテるのはどっちだよ?食堂とかでオトコの事務職員に声かけられてるし。」
『・・・・・・?』
そんなこと、あったっけ?
「売店でわざと若いオトコの患者にぶつかられているし。」
『・・・あ~』
あ~、それは覚えているかも
カスタードプリンを買って落としてしまって中味がドロドロになったのをその人が気にしちゃって
断ったのに、新しいプリンを買ってくれたんだっけ?
「おまけに研修医が昼休みのカウンセリングルーム前をウロウロしているし。」
あ~、それもトイレから戻って来た時、見かけたことある
“どなたかにご用ですか?”と声をかけたら
“レイナ先生にです!”って言われたっけ?
『でも、それでモテるとか、それはナオフミさんの思い過ごしなんじゃ・・・』
「伶菜はもう少しオトコって生き物が何を考えてるか、知ったほうが良さそうだな。」
『えっ?!』
「さぁ、お仕置きの時間の始まりってことかな。」
チン♪
今日、何度乗ったかわからないエレベーターのドアが開き、
彼に抱きかかえられたままの私はドアの向こう側に誰かいるか再びヒヤヒヤしながら肩を竦めた。
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