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私たちは喫茶店に入ると、適当にドリンクを注文した。
私はそこに、たまごサンドウィッチを追加する。
「友貴人は何も食べないの?」
「うん、ちょっとお腹空いてなくて」
「そうなの……」
やっぱり今日の友貴人は変だ。いつもなら多少お腹が空いていなくても、私に合わせて何か注文するのが普通だったから。
私はなんだか一人だけ食事をする後ろめたさを感じながら、注文したドリンクとサンドウィッチを店員さんから受け取った。
二人掛けの空いている席を探して徐に座る。
友貴人はホットティーを、私はサンドウィッチを齧り、ホットコーヒーを啜る。
「今日さ、昼間にLINEが来たからびっくりしたわ。菜々子に——、あ、菜々子っていうのは私の部署の後輩なんだけど、彼女にからかわれたわ」
なんとかその場の空気を和ませようと、私は今日の昼間に菜々子とした話を彼にしてみる。
「昨日のプレゼントのネックレス、本当はつけてきたかったんだけど、ルビーだからちょっと目立つかなと思って。次回遊びに行くとき絶対つけていくわ」
昨日の今日で、誕生日にもらった大事なプレゼントのことも話した。
もらった時、どれだけ嬉しかったか。
肌身離さずつけていたいぐらい大切に思っているということ。
そして何より、物よりも自分の誕生日に時間を使ってくれたこと。
何年経っても変わらずに祝ってくれる友貴人に、私はずっと変わらず感謝し続けていると。
今日はなんだか調子の悪そうな彼だけれど、普段は口にしない素直な言葉をかけたら、いつも通りの彼に戻ってくれるかもしれない。
私が好きで、私を好きな彼に、戻ってくれると思った。
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