真っ赤な嘘のクリスマス

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「いつかはそうなるかもしれません」 「かもしれないって、しないかもしれないってことか?」 「はい」 「マジかよ」  壮太は崩れ落ちるように頭を抱えてしゃがみ込む。 「そんなに自信ないんですか?」  壮太ははてなマークを頭の上に掲げながら私を見上げた。 「私は自信ありますよ。壮太さんと再婚する自信」  壮太はすぐに立ち上がると私をぎゅっと抱きしめた。  壮太は再び私に嘘をつくかもしれない。愛が無くなるかもしれない。そしていつか不倫をされるかもしれない。  でもその事に怯えて疑ってばかりいては人生勿体ない。  岩田さんを信じていれば岡崎にあんな重荷を背負わせなくて済んだだろう。中野君を信じて恋に落ちていれば、もっと安定した平凡な人生を歩めていたのかもしれない。  私がこれから進む道は容易く歩める道ではないはずだ。見た目スペックも高く、更には社長とあっては敵が多すぎるし、あらゆる欲や憎悪、権力争い、そして無駄なマウント合戦に巻き込まれるだろう。その結果不幸になってしまうかもしれない。  今までの私ならその不幸を誰かのせいにしただろう。それは人のせいにしないとやっていけないから。自分で切り開こうとすることを諦めていたから。
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