クロスウェル家

1/2
前へ
/310ページ
次へ

クロスウェル家

1942年3月 イギリス、バーミンガム レーナ・ヘンドリクスはバーミンガムの実家、クロスウェル家で過ごしていた。 両親と妹のアリス、アリスの次女シャーリーの5人で暮らしている。 アリスの長女ルーシーはロンドンでモデル兼ファッションコーディネーターの仕事をしている。 開戦してからバーミンガムへ戻って来ていたが、空襲も止み、ロンドンが落ち着き始めた9月にロンドンへ戻って行った。 次女シャーリーは自宅から大学の医学部へ通っている。 三女のエミリーはまだ疎開先だ。 レーナの次男セスはエミリーと一緒に北部イヴァネスへ疎開していたが、去年9月にマンチェスターの音楽学校チェザムへ入学した。 ホームステイ先は割と快適なようで、10歳になったセスの成長を感じた。 弟のジョージが郵便局に勤めている事から、レーナは郵便物の仕分け作業の仕事をしていた。 ジョージの家族はバーミンガム郊外に住んでいるが、実家にはあまり寄り付かない。 ジョージの妻デボラとアリスが不仲だからだ。 用がある時はジョージと子ども達だけが来る。 それは結婚当初からなので、もう当たり前になってしまっていた。
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加