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クロスウェル家
1942年3月
イギリス、バーミンガム
レーナ・ヘンドリクスはバーミンガムの実家、クロスウェル家で過ごしていた。
両親と妹のアリス、アリスの次女シャーリーの5人で暮らしている。
アリスの長女ルーシーはロンドンでモデル兼ファッションコーディネーターの仕事をしている。
開戦してからバーミンガムへ戻って来ていたが、空襲も止み、ロンドンが落ち着き始めた9月にロンドンへ戻って行った。
次女シャーリーは自宅から大学の医学部へ通っている。
三女のエミリーはまだ疎開先だ。
レーナの次男セスはエミリーと一緒に北部イヴァネスへ疎開していたが、去年9月にマンチェスターの音楽学校チェザムへ入学した。
ホームステイ先は割と快適なようで、10歳になったセスの成長を感じた。
弟のジョージが郵便局に勤めている事から、レーナは郵便物の仕分け作業の仕事をしていた。
ジョージの家族はバーミンガム郊外に住んでいるが、実家にはあまり寄り付かない。
ジョージの妻デボラとアリスが不仲だからだ。
用がある時はジョージと子ども達だけが来る。
それは結婚当初からなので、もう当たり前になってしまっていた。
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