03.サキュバスにイカされてはいけない。なのにイッてしまう。

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03.サキュバスにイカされてはいけない。なのにイッてしまう。

 だが僕は、その時の快感が忘れられず、仕事中もずっとサキュバスのことを考えていた。 だが、あれから1週間。サキュバスは僕の前には姿を現さなかった。あれは本当に、僕の白昼夢だったのだろうか? 「加藤先生。看護師長がお呼びです」 「わかった、今行く」 僕は頭を切り替えて、資料を持って移動する。 部屋に行くと、女性の看護師長が1人でパソコンを叩いていた。 「失礼します」 「加藤先生。わざわざ来てくれてありがとうございます。実は看護師のスケジュールのことで……」 と、その時、例のサキュバスが僕の目の前に現れた。 サキュバスは、僕と看護師長の間に立っている。看護師長の視線はパソコンに向かっているから、彼女のことは見えていないらしい。いや、仮に僕の方を看護師長が見ていたとしても、サキュバスのことは見えない可能性もある。前回がそうだったのだから。 僕はサキュバスが現れてくれたことに喜んでいる自分がいることに気づいたが、この場ではマズイと思った。 看護師長は規律に厳しい人だ。もし、前のようにサキュバスが僕をもてあそぼうとしたら―― サキュバスは僕の手を取る。柔らかな女性の手だ。 僕の手をどうするのかと思ったら、なんと僕に胸を触らせてきた。たわわで弾力のある胸。するとぷっくりとした突起が手に当たる。 サキュバスを見ると、気持ちよさそうな表情をしていた。 その表情だけで、僕はまた股間が破裂しそうになる。 この手をのけなければいけない、と思うのに、胸の魅力からは逃れられない。手を離せないし、手に当たる突起をもっと触りたくなる。 サキュバスのコスチュームの中に手を突っ込みたくなる。直接触りたい。直接しゃぶりたい。 そんな風に僕の思考は、どんどん性欲が高まっていく。 サキュバスは妖艶に微笑むと、僕に抱き着いてきた。 柔らかな彼女の身体が全身を包み込み脳がとろけそうになる。 「加藤先生。加藤先生!! 聞いていますか!?」 怒った看護師長の声でハッとする。 僕はサキュバスの肩越しに看護師長を見た。 「すみません。もう一度お願いできますか?」 「まったく……気が緩んでますよ」 「すみません」 僕がそう言うと、サキュバスは僕から身体を離した。僕はサキュバスの身体が名残惜しくて、彼女を目で追いかけてしまう。 だが彼女は僕の真後ろに移動をしたかと思うと、今度は後ろから抱きしめてくれた。 背中に彼女の胸が当たり、再び僕の股間はギンギンになる。そして、そのギンギンになった僕の股間に、彼女は直接手を入れてきた。 「あ……やばい……それは――」 と言いかけて、看護師長が僕を睨みつけているのに気づき、僕は慌てて口を閉じる。だが、背中と股間の快楽は止まらない。 「……――っ!」 僕は声を押し殺し、またもサキュバスに簡単にイかされてしまった。 その後もサキュバスは、僕が女性と2人きりになると、僕の目の前に現れ胸を触らせて来たり、股間を触って来たり、キスをしたりしてイかせてくる。 僕とサキュバスの間には主従関係ができ性奴隷になった。やめてもらわなければ、なんて思っていたはずなのに、心も身体も彼女を求めてしまう。 「やめないでください。もっとしてください!!女王様!!」 それに初めは気づいていなかったが、妖艶なサキュバスの顔は、僕が愛した桐谷絵里子そのものだった。絵里子の顔で迫ってくるなんて、そんなの抵抗できるわけがない。いや、抵抗したいとも思っていないんだ。 ただ、毎回、あんなにも簡単にイかされてしまうことだけは屈辱的だ。屈辱的だが、それを求めている自分もいて、いや違う、いやそうだ……あぁちくしょう。僕は自分の気持ちがわからない。 1度だけ、サキュバスに抵抗しようと思って、目を閉じてみた。するとどうだろう。身体の感覚がさらに敏感になって、僕は乳首だけでイかされた。男としてどうなんだ。その後、股間がうずうずしてどうにもならなかったから、僕は他の女性とわざと2人きりの状態を作って、サキュバスに来てもらい、今度は股間でイかせてもらった。 周りの人たちも、僕がおかしい、変態だということを知っている。ただ、病院ではカーストの頂点に立つ医者だから、直接は言ってこないだけ。陰口を叩かれていることも知っている。でも、女性と2人きりの状態にならないと、サキュバスはやってこない。だったら、どんなに嫌な顔をされても、現実の女性と2人きりになるしかないんだ。 僕はもう末期状態だ。 どうしようもない。
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