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すっきりさせる。身の回りも、自分も。
そのとき私は二作目の長編にチャレンジしている途中でした。
筆が完全に止まったのはちょうど六万字に差しかかった頃。ストーリーの中盤に向かう途中で、当初のプロットとはずれが生じて思考が止まってしまいました。
初めて十万字の作品を書いた時も六万字の時点でいったんストップしました。私にとって『魔の六万字』です。ストーリーが転機を迎えるあたりですから、難しいのは当然です。前回はとにかく完結を目標にしていたのでとりあえず(なんでもいいから)先に進めて魔の文字数を突破しましたが、今回は少しはましなもの、おもしろいものを書きたいという思いがかえって邪魔をし、少しも書けなくなってしまいました。それでもああしよう、こうしようと頭の中で妄想は途切れることがありません。
一度頭をすっきりさせたい。お茶でも飲もうと思ってキッチンに立つと、シンクは食事で使った食器や鍋でごちゃごちゃでした。まるで私の脳内のように。
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