【8】決着・そして…

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美優が凛に言い残した警告。 それを聞いたラブ。 思い当たる敵は、ミゲルしかいない。 盗聴されているはずの電話回線で予定を知らせ、人の居ない場所へ導いた。 「チッ!まぁ…どうであれ、これで終わりだ」 「ミゲル❗️必ず殺す」 双剣をミゲルへ向ける凛。 「気を引こうとしても無駄だ。しかし…まさか伝説の暗殺者が、まだ生きていたとは驚きだ。しかもラブと一緒とはな。」 (クソッ❗️) 必ず守ると約束した凛。 剣先が悔しさと怒りに震える。 1人が銃口を向けて近付く。 「まだ殺すな、ラブが死ぬのを見てからだ」 「ミゲル待て❗️」 凛の声など気にしないミゲル。 「父の仇だ、死ねラブ❗️」 トリガーの指に力が込められる。 そして… 「バシュ❗️」 思わず目を閉じた凛。 その瞬間に、疑念が浮かんだ。 (なぜ…ラブは無抵抗?なぜ隙を?) 敵と知っていて、隙を与えるラブではない。 目を開けた。 「なにっ⁉️」 (どこかで見た様な…デジャヴか?) 頭を撃ち抜かれ、倒れていくミゲル。 横にいた仲間の男の銃が、硝煙を上げている。 「フンッ❗️」 瞬時に、そばにいた男を斬り倒す凛。 「グァ!」…「ダンッ!」 ティークの放ったライフル音が、僅かに遅れて届き、ミゲルを撃った男が倒れた。 「一体何が?」 訳の分からない凛が、ラブを見る。 「終わったわ。もう出て来ていいわよ…美優」 「なぁ〜んだ、やっぱりバレてたか」 ゆっくりと森の中から、死んだはずの佐久本美優が現れた。 「美優⁉️お前死んだんじゃ?」 「凛さん、必ず守るって約束したのになぁ〜全く世話がやけるわ。なぜ生きてるか?なんて聞かないで、私にも分からないんだから」 「しかし…」 「気が付いたら村の人に助けられていて、私はこの森で倒れていたらしいわ」 「龍神は、簡単には死なないってことね」 「美優、その目⁉️」 「何だかおかしなことになってて、右目は未来を、左目は過去を見れて、両目で見るとそれを操れる私の目になるのよ」 その瞳は、多香子と晋也の色をしていた。 言いながら黒いサングラスを掛ける美優。 「あの2人には、もうその力は消えた。龍神となったあなたに戻ったのね」 「そんな感じかな」 「ラブ、あなた美優の力を信じてたから、あんなに平然としてたの?」 「『私が守る』ってから」 「呆れた人。こっちは…えっ💦」 愚痴を言いかけた凛に、美優が抱き付いた。 「会いたかった…凛」 呟く小さな体を、そっと抱き締める凛。 「生きていて良かった…」 心に残っていた、大きな悲しみが消えた。 「もしもし咲さん。ラブで〜す❣️富士の忍野村でミゲル達に襲撃されて、始末したので後は何とかお願いします」 「ラブさん⁉️、りょ…了解。…始末って?」 「あっ💦…えっと、仕方なく正当防衛ってやつかな💦とにかくよろしく❣️」 (ふぅ〜💧) 携帯を切った。 「さてと、帰りましょう。凛、ジープの運転お願いね」 「了解。美優、多香子と晋也達が待ってるわ」 「ビックリするだろうなぁ…」 チムグクルをテレビで見て、自分の居場所がまだあるのを知っていた。 先にジープに乗り込むラブ。 美優が生きていたことは、心から喜んでいた。 しかし… (生かされた…と言うことね) 外れたことの無い、嫌な予感がしていた。
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