【2】崩壊の地へ

5/10

99人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
〜羽田空港〜 那覇空港発JAL906便が到着した。 空港内の人の数に圧される3人。 「な…何か頭痛くなってきたわ💧」 「多香子もか、俺もだよ💧」 「直ぐに慣れます。これから東京(ここ)で生きて行くのだから」 美優は三線(さんしん)奏者として、何度か来ていて慣れていた。 「さすが美優。頼りになるわ〜」 平然と進む後ろをついて歩く2人。 ふと、立ち止まる美優。 「あれ〜何か違うわね。ついてく団体間違えたみたいだわ」 「分かってないのかぁ〜❗️」 「だっていつもは一人じゃないから💦」 と言うことである。 「どっちから来たっけ?」 「方向音痴ですかぁ〜❗️」 そんな美優である。 騒いでる2人を置いて、多香子が人を見渡す。 「こっちみたいよ」 今度は多香子について歩く2人であった。 〜到着ロビー〜 TERRAから、新咲凛(しんざきりん)が迎えに来ていた。 携帯が鳴る。 「どうかしたの、ラブ?」 「今頃は羽田ね。まさかいつもの黒いパンツスーツに黒サングラス🕶じゃ…ないわよね?」 「まさか。そんな格好で待たれたら、近寄らないでしょ。そんなことで国際電話を?」 「そう…なら良かった。心配だったから。じゃあ、明日には帰るから、よろしく」 携帯と黒サングラスをポケットにしまう凛。 (何で分かるのよ💧) ふと見ると、いかにも沖縄って男子と、2人の女子が見えた。 仕方なく『チムグクル』様と書いたプラカードを掲げる凛。 「こっちよ!」 その声に気付いた沖縄が手を振る。 2人も気付き、急ぎ足で出て来た。 「TERRAの新咲です。お迎えに参りました」 「良く分かりましたね」 シーサー柄のTシャツにジャケットの比嘉。 「これでも、ラブのマネージャーなので」 咄嗟に気を遣ったつもりの凛。 自分でも意味不明だと思った。 「さっすがです〜!ねぇ美優」 「並の人ではラブさんは無理よね。さすが」 普通に受け入れられていた。 (チムグクルの意味ってバカの集まり?💦) 「と、とにかく車へ💧」 振り向いて先導する凛。 「カッコいいな、黒サンとか似合うよな?」 ポケットから取り出しかけたサングラスを、寸前で諦めた。 (全く…何か調子狂うわ!) 「あの…新咲さん、途中で銀行に寄ってもらえますか?あまり持ち合わせがなくて」 支度金と契約金が、既に新しい口座に振り込まれていた。 ラブは、来れなかった2人にも同額を払った。 契約者はチムグクルであると言う建前で。 「TERRAに部屋も用意してあるから、必要はないとおもうけど…いいわよ」 ベンツのステーションワゴンに3人を乗せ、空港から首都高速湾岸線に乗る。 ベンツに驚き、湾岸線からの景色、更には台場へと続く東京港海底トンネルに、テンションが上がる比嘉と新垣。 トンネルを抜けて直ぐの臨海副都心で下り、お台場中央交差点を左折し、路肩に車を停めた。 「あれが銀行だから、私は車で待ってるわ」 「ありがとうございます。行こ!」 その後、振り込まれていた金額に、目を疑う3人であった。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加