【2】崩壊の地へ

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〜東京台場〜 帝都銀行台場支店から出てきた3人。 0の数が頭からまだ離れない。 ふと向かいにあるコンビニに気付く。 ジェスチャーで凛に伝えるシーサー。 OKサインを返す凛💧 車から50mほど前の横断歩道で信号を待つ。 もうすぐ歩道側が青になる頃。 凛の後方からきたクリーニング店のワゴン車が、3人の右前に急停車した。 びっくりして運転手を見る3人。 (この人…)(こいつ…) 同時に後ろを向き、少し離れて電話をかける新垣と比嘉。 『もしもし、警察ですか?』 2人の声が重なり、それに気付いて顔を見合わせる。 台場の緊急通報は、警視庁捜査本部のコールセンターへ繋がる。 「はい警察です、どうしましたか?」×2 「車に乗った銀行強盗がいます!」 「車に乗った銀行強盗犯がいます!」 一文字分ずれた。 不思議そうに見つめ合う2人。 「では刑事課に回しますね」×2 〜警視庁捜査本部刑事課〜 2つの電話の内線音が鳴った。 「咲よ、繋いで」 「戸澤だ、頂くよ」 咲に新垣、戸澤に比嘉が繋がった。 2人同時ではスピーカーに切り替えられず、そのまま受ける。 「刑事課よ、事件ですか?」 「刑事課だ、事件か?」 「信号待ちの車の運転手は、銀行強盗です」 「そばに停まった車に、銀行強盗犯がいます」 「はぁ?どういうことかな?」 「何っ?君は知ってんのか?」 「それは…えっと…とにかく、早く来て❗️」 「えっ、知ってると言うか…とにかく、早く来てください❗️」 「場所は?」×2 「咲さん、戸澤さん、2人共帝銀お台場支店の前です」 傍受した信号をGPSで見つけた昴。 「直ぐそこじゃない!分かったわ、行くから、待ってて」 「お台場の帝銀だな、直ぐに行くから、安全なとこにいろ!」 電話を切る。 「咲さん、そこなら桐谷さんがつい先ほど見回りに向かいましたが…」 聞いていた土屋が告げる。 耳の小型通信機を入れる咲。 「桐谷、今銀行強盗がそこにいるって通報があったわ。私達も直ぐに向かうから、よろしく」 〜現場〜 「了解。通報者は?…っておい、切るなぁ💦」 電話の要領で、つい切ってしまった咲。 帝銀は、もう100m程先に見えている。 ラブの輸血により引き継がれた視力が、スマホを持つシーサーを見つけた。 元CIAの勘が、信号待ちのワゴン車に気付く。 (通報者と近い。下手に動けないわね…) 銃を確認し、出来るだけ離れた位置を、OLを装って銀行へと近付く桐谷であった。
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