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〜東京台場〜
帝都銀行台場支店から出てきた3人。
0の数が頭からまだ離れない。
ふと向かいにあるコンビニに気付く。
ジェスチャーで凛に伝えるシーサー。
OKサインを返す凛💧
車から50mほど前の横断歩道で信号を待つ。
もうすぐ歩道側が青になる頃。
凛の後方からきたクリーニング店のワゴン車が、3人の右前に急停車した。
びっくりして運転手を見る3人。
(この人…)(こいつ…)
同時に後ろを向き、少し離れて電話をかける新垣と比嘉。
『もしもし、警察ですか?』
2人の声が重なり、それに気付いて顔を見合わせる。
台場の緊急通報は、警視庁捜査本部のコールセンターへ繋がる。
「はい警察です、どうしましたか?」×2
「車に乗った銀行強盗がいます!」
「車に乗った銀行強盗犯がいます!」
一文字分ずれた。
不思議そうに見つめ合う2人。
「では刑事課に回しますね」×2
〜警視庁捜査本部刑事課〜
2つの電話の内線音が鳴った。
「咲よ、繋いで」
「戸澤だ、頂くよ」
咲に新垣、戸澤に比嘉が繋がった。
2人同時ではスピーカーに切り替えられず、そのまま受ける。
「刑事課よ、事件ですか?」
「刑事課だ、事件か?」
「信号待ちの車の運転手は、銀行強盗です」
「そばに停まった車に、銀行強盗犯がいます」
「はぁ?どういうことかな?」
「何っ?君は知ってんのか?」
「それは…えっと…とにかく、早く来て❗️」
「えっ、知ってると言うか…とにかく、早く来てください❗️」
「場所は?」×2
「咲さん、戸澤さん、2人共帝銀お台場支店の前です」
傍受した信号をGPSで見つけた昴。
「直ぐそこじゃない!分かったわ、行くから、待ってて」
「お台場の帝銀だな、直ぐに行くから、安全なとこにいろ!」
電話を切る。
「咲さん、そこなら桐谷さんがつい先ほど見回りに向かいましたが…」
聞いていた土屋が告げる。
耳の小型通信機を入れる咲。
「桐谷、今銀行強盗がそこにいるって通報があったわ。私達も直ぐに向かうから、よろしく」
〜現場〜
「了解。通報者は?…っておい、切るなぁ💦」
電話の要領で、つい切ってしまった咲。
帝銀は、もう100m程先に見えている。
ラブの輸血により引き継がれた視力が、スマホを持つシーサーを見つけた。
元CIAの勘が、信号待ちのワゴン車に気付く。
(通報者と近い。下手に動けないわね…)
銃を確認し、出来るだけ離れた位置を、OLを装って銀行へと近付く桐谷であった。
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