99人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
〜警視庁捜査本部〜
咲、桐谷、富士本が3人の話を聞いた。
しかし、肝心なところは分からない。
「じゃあ、比嘉さんは運転手を、銀行強盗をした犯人だと何とな〜く思って、新垣さんは、銀行強盗を企ててると何とな〜く感じたわけね?」
「そうなんです」×2
「やっと分かってくれましたか…」
立っていた比嘉が、ホッとして座る。
「まぁね…って💦分かるわけないでしょ❗️」
「沖縄の子はそういうものよ。悪いヤツは見ればわかるの」
当たり前の様に言う佐久本。
「えっ?そうなの?」
富士本を見る咲。
目を逸らす富士本。
そんなわけはない💧
「まぁ…いいんじゃない?おかげで連続帝銀強盗は片付いたんだから」
どうでもいいと思う桐谷。
そこへ土屋がノックなしで入って来た。
「大変です❗️今テレビでこれを」
土屋がタブレットの動画配信を見せる。
テレビニュースであった。
「繰り返しお伝えします。本日、帝都銀行お台場支店前にて、連続強盗犯と警察の銃撃戦がありました。犯人グループの内3人は射殺され、1人は捕まりましたが、たった今入った情報によると、搬送中の警察車両が爆破されたとのことです」
「何ですって⁉️」
咲の声と同時に、刑事課の電話が鳴った。
応接室の電話をとる咲。
「どうして警察より先にマスコミが知ってんのよ❗️」
「あっ💦いや…私もそれが知りたくて電話したのだが…」
「えっ?…失礼ですが、もしや…花山警視総監様でございまするか?」
「そ…そうでござる…でいいのか?💦」
「なにっ!代われ❗️」
富士本が慌てて受話器を奪う。
「失礼いたしました。別の者と勘違いした様でして💦申し訳ございません」
「富士本さん…それはいいが💧その様子では、そちらも知らなかったのですね。分かりました。咲刑事には、気にしない様に伝えて下さい。ではまた」
電話は切れた。
「咲❗️お前は全く、×○△□…」
怒鳴りかけた富士本の口を、土屋が手で塞ぐ。
皆んなニュースに注目していた。
「帝都銀行、橋詰和馬代表取締役の緊急記者会見の模様を、生中継でお伝えします」
「手際が良すぎじゃない?」
「確かにそうね」
不審気に呟く桐谷に、逃げ場を見つけた咲。
さり気なく覗き込む。
「この度は、皆様に大変ご心配とご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」
記者団の前で、深く頭を下げる橋詰。
「優秀な警察のおかげで、犯人グループは全員排除された様で、私もやっと安心して会社を去ることができます」
「何か癪に触る物言いね」
桐谷のみならず、刑事課のテレビで見ているメンバーもそう思った。
「辞任する理由も分かんないわね。被害者側なのに、おかしいでしょ」
咲の疑問を、意外な言葉が切り開いた。
最初のコメントを投稿しよう!