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〜TERRA〜
翌日。
第12スタジオに呼ばれた3人。
「スッゲ〜!全部揃ってんじゃん!」
入るなりテンションが上がる比嘉晋也。
音楽専門のスタジオで、レコーディングにも使われる最新機器が揃っていた。
「しかしさすがTERRAね。部屋も広くて景色も良くて。あそこに住んでいいなんて夢みたい」
「私も驚きました。同時にプレッシャーでもありますが…」
新垣多香子も、佐久本美優も、想像以上の待遇に驚き、素直に喜んでいた。
ノックの音がして、ドアが開く。
「おはよう比嘉さん、新垣さん、佐久本さん。良く来てくれました。これからよろしくお願いします」
「ラブ社長💦こ、こちらこそ、よろしくお願いします」
目の前で見る2回目の生ラブ。
決して堅苦しさは感じない。
しかし彼らにも分かる、他とは違うオーラの様な温かな輝きがあった。
「ちょっと〜社長はやめてよ💦TERRA皆んなラブって呼んでるから、それでお願い」
「ラブ…さん。何だか申し訳なくて。こんなに何から何まですごくて、いいのかなぁって」
「いいのいいの、部屋はいつも空いてるし、ここにいてくれた方が安全だし、便利だから。このスタジオも、あなた達専用にしたので、自由に使って」
「マジで⁉️…あっすみません」
「でも、本当にいいんですか?」
「もちろん。あなた達さえ良ければね。ドラムとベース、他に欲しい楽器があれば教えて、午後からTERRA所属の優秀なミュージシャンで、オーディションやるから。審査員はあなた達と芸能部門の専門家」
「オーディション⁉️」
「私達が審査員⁉️」
「キーボード…ピアノ調の音が欲しいです」
「分かったわ。皆んなあなた達の曲を聴いて、やる気満々よ。私は公務で出ちゃうけど、マネージャーに、この木村香織を就けたから」
「木村です。バンドのマネージャーは初めてだけど、これでもピアノとヴァイオリンを少々。TERRA所属ミュージシャンのマネージャーに付いて3ケ月勉強しました。よろしくね」
元TERRAの優秀な受付嬢を抜擢したラブ。
期待以上に能力を見せていた。
「よろしくお願いします」×3
「本当に息ピッタリね。さすが!」
「設備のことは、内線871の内田に聞いて。あとは…と、ビル内の施設は、渡してあるカードで飲食含めて自由に使って。困った時にはこのビルのメインシステムのAIに聞いて。よろしくアイ」
「了解しました。新垣様、比嘉様、佐久本様、いつでも声かけてください」
スピーカーから聞こえた声に驚く。
「そうそう、あなた達の初公開は、来週金曜の私のコンサートの途中で2曲。頑張って❣️」
「来週⁉️ラブさんのステージで💦」
「不満はないわよね?」
「も、もちろんです!ただ早いな〜と思って」
「この業界はそういうものよ。選曲は決めさせて貰ったから、後は木村さんに任せます」
「はい。オーディションにはその2曲を使います。その間に、私はコンサートスタッフと打ち合わせる予定です」
「OK❣️」
(様になって来たわね)
忙しく出て行くラブ。
「ラブさんって、やっぱり忙しそうですね」
新垣の呟きに、ゆっくり頷く2人。
「ですよね。このビルの最上階がラブの居住フロアなんだけど、滅多にいなくて。でも帰ると、必ず各部門に顔を見せるんですよ。東京にいる時は、空いた時間に養護施設を回ったり、総理の相談やら国会にも参画してるし」
「それであの笑顔と元気…まさにスーパースターですね」
「お隣に警視庁ができてからは、警察の事件にまで協力してるし、世界の問題も解決してるんだから、私なんかじゃ、マネージャーなんてとても無理だわ」
暫くラブ話しをしてから、木村の案内でビル内の施設を一通り周り、当面のスケジュールを打ち合わせた。
凄い会社に入ったことを、段々と実感して来た3人であった。
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