【4】暗の攻防

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〜港区芝浦埠頭〜 物流倉庫や色とりどりのコンテナが並ぶ。 東京港で二番目に建設されたふ頭である。 昴から送られて来た住所から、平和不動産が管理する貸し倉庫近くまで辿り着いた桐谷。 目標の倉庫まで50mとなった時、耳の通信機が入った。 「ストップ!」 聞き覚えのある声に従い、車を停めた。 脇道から出てきた凛が、助手席に乗り込む。 「何で凛がいるのよ?」 「誰かさんの護衛よ。そこ右に入って停めて」 とりあえず言う通りにする。 ラブが派遣したことは聞くまでもない。 『急に呼び出しとは何の用だ?』 凛が録音した会話をPCで流す。 直ぐに橋詰(はしづめ)の声だと分かった桐谷。 『サハリン基地が襲撃された様だ』 言葉の抑揚が日本人ではない。 『何⁉️戦艦は無事か?』 『さぁな。戦艦からの通信は途中で途切れた。奪われたか、破壊されたか。いずれにしろ、もう我々のものではない』 『クソッ❗️いったい誰の仕業だ?』 橋詰の苛立ちが、まじまじと伝わってくる。 『確か…将軍が来るとか言っていたが…』 『将軍?誰のことだ?』 『知らねぇよ、俺たちは武器調達の資金を依頼されただけだろうが。』 再生を止めた凛。 「あなたどうやってこれを?」 「元CIAの言うセリフじゃないわね。美月は顔を知られてるから、代わりに私がやったまでのことよ。それより将軍はやはり白だったか〜」 「知ってるの?」 「まぁ…ね。そんなことより美月、奴らはプロの犯罪組織よ。倉庫には重装備の見張りが3人。」 先に着いた凛は、対象となる貸倉庫の周辺を確認していた。 「それ相応の物があるってことね。今ここで騒動を起こしたら、橋詰に気付かれて逃げられるわね」 「その心配は…もういらないかも💦」 既に一騒動を起こした凛。 再生キーを押す。 『あの女刑事は始末したか?』 『ごろつきを雇って、今頃は処置済みだ』 (ごろつき?) 凛の顔を見る桐谷。 「処置済みよ」 心配いらない理由が分かった桐谷。 『4人も殺られたし、もう終わりだな。金は貰うぜ、』 『好きにしろ、クソッ❗️』 「ミゲル?」 首を傾げる2人。 『バシュ!バシュ!バシュ!』 サイレンサー付の銃声と崩れ落ちる音。 PCをバッグにしまう凛。 「ここは私に任せて、片付けに警察部隊を呼んで。美月は戻って橋詰確保を。さっきのデータは、今頃アイが本部に送ってるわ。それから…これあげるから、絶対逃がさないでよ!」 小型モニターの地図上を赤い点が動いている。 盗聴器に内蔵したGPS発信機である。 スッと車を出ていく凛。 「全く愛想ないわね、ハイハイ仰せの通りに」 独り言に笑みが浮かぶ。 富士本へ連絡し、本部へと戻る桐谷であった。
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