【8】決着・そして…

2/5

99人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
助手席に座ったラブ。 「もう自衛隊は長いんですか?」 「いえ、転職してまだ1年の新米です」 「そうですか、前のお仕事は?…あ、あまり立ち入ったことを聞くものじゃないですね、すみません」 「いえ、気にしなくていいです。以前はある会社の営業マンでしたが、自分に合わなくて辞めてしまいました」 「あら?初対面でもこんなに楽に会話ができるのに?」 「初対面の方ばかりを相手にしてましたから、身についた様です、ハハ」 そんな他愛もない話をしながら、15分ほど樹海を抜けた場所に、それはあった。 応急的な柵が設けられ、有毒ガスと立ち入り禁止の看板が立てられている。 「直径約…10mってとこね。水蒸気以外は、二酸化炭素と二酸化硫黄が少しで、硫化水素はなし」 ポータブル計測器を持ち、タブレットPCを見ながら凛が報告する。 「新しい観光スポットになりそうね。まぁ…当面は無理だけど」 (凛、5人と…2人) ラブが凛の頭に伝えた。 「5人は。やはり来たわね」 耳の通信機で囁く凛。 岩と大木の裏に、銃を所持した男達がいた。 その殺気を感じ取る2人。 「撃てるか?」 「いつでも撃てます」 「ラブを殺れ!」 その瞬間。 約1km離れた岩から、狙撃用ライフルのスコープを覗く目と、ラブの目が合った。 「な…なに⁉️」 知り得るはずのない距離に驚く男。 そして。 「おい」 背後からの声に慌てて振り向く。 「ビシュ❗️」 認識できたかは定かではない。 ティークの長剣が一閃し、司令塔を失った体が崩れ落ちた。 「どうした?なぜ撃たない⁉️」 「ガシャ!」 地面に落ちた声を、踏み潰す。 「ラブ、こっちは終わった」 耳の通信機に、ティークの報告が届く。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加