通り過ぎない通り雨

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「ちょっとせまいけど」 清音が身体をずらしてタオルケットをめくった。 セロはベッドに方膝と片手をつき、清音へと顔を近づけた。 「その気になってきたか......?」 低音ボイスで囁かれて、ブラウンの瞳で見つめられて 清音は胸が鳴った。 「それとは違うけど、でも......全身でセロを感じたい」 「誘ってるわけじゃないのにそのセリフかよ......」 セロは頭を掻いて呆れながらも、ボーダーシャツとズボンのままで ベッドへと入った。 「抱きしめてほしい」 そう清音に言われ、横向きで清音を包み込むように抱いた。 「頭から、つま先までで、わかる。感じられる。 やっぱりセロは、ちゃんといる。嬉しい......」 清音はセロの胸に顔をうずめた。 細く小さい身体を、セロは遠慮がちに、それでも強く抱きしめる。 「セロ、朝になったら、いなくなったり......しないで......ね......」 安心したのか清音はそのまま眠ってしまった。 そして朝になって目を覚ましても、セロは一緒に寝ていた。
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