朝夕

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「で、なに?」 「なにが?」 「だから、なんであんたがここに来たわけ? 」 「たまたまだよ」  少年は素直にそういった。  少なからず、素直に見えた。 「たまたま?」 「うん、たまたま、繋がっただけ」  話を聞く所によると、少年の星はとうの昔に無くなったそうだった。  そもそも、生命そのものも、無くなったそうだ。  情報だけを宇宙に放出して終わりを告げたそうだった。  そうして、彼の言うとおり、  数万光年かけて、地球にたまたま届いて、  たまたま、この部屋に来てしまったそうだった。 「あの、ね」  少しの沈黙のあとに少年が口をひらいた。  開いた瞬間、ナイフを突き刺してきた。  僕は事実を確認するまで、少しの時間がかかった。  血を見て、はじめて、目の前が開けた気がした。  ジンと、音がした。  ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ  ちょっと待って、痛い。  痛い。痛い、痛い。  苦しい、呼吸が、できない。
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