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今日から私は……今度こそ、この家でちゃんと一人で生きていく。数え切れないあなたとの思い出と共に……。
思いながら薄暗くなった部屋で布団を綺麗に整えた。
きっとこの決断をするのはもう数え切れないのだろう。
明日の朝、また目を覚ましたら過去の記憶とすり替わってしまっていつも通りの朝を迎えたつもりになって忙しなく朝の準備をするかもしれない。
そして、また現実を知るのかもしれないけれど。
あなたならどうするかしら?
結芽の言うように一緒に暮らした方がいいと思う?
結局、毎朝迷惑をかけているのだから。でも、
「今日からまた2人きりか。新婚に戻ったみたいだね」
正人の結婚式から帰った夜、にこにこと笑ったあなたが忘れられないの。
この家で1人、あなたを思い出していたいのよ。
あなたをただ想っていたいの。
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