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 「おまえ何だ? 只者じゃないだろう?」  背後から声がかかり止まる。見ると、黒ずくめの男が立っていた。さらに、音もたてずにあと2人現れ、遠巻きに囲まれる。動きに無駄がない。おそらく戦闘のプロだ。  「只者になりたいおっさんだよ」  肩を竦めながら応えるアカマ。  「只者以下の、亡き者にしてやるよ」  男達がサッと戦闘態勢になる。後から現れた2人はナイフを持っていた。  うまいこと言うなぁ、って感心している場合じゃないな……。  アカマも身構えたが、武器はない。  素早く動く男達、ナイフを繰り出してくる。何とか避けるアカマ。  最初の男がワイヤーのようなものを鞭のように扱い打ちつけてくると、避けきれず手足に受け激しい痛みがはしる。転げまわって逃げた。  恐るべき強敵だ。  何とか1本でもナイフを奪うことができれば……。  それでもワイヤーの男には勝てるかどうかわからない。殺さないように手加減などできる余裕もない。命がけ……()るか()られるかの勝負になる。  勝ったとしても、後でエリカに殺されるが……。  しかたない。紀枝が無事なら愛奈のことは安心だ。それでいい。  決意して立ち上がるアカマ。男達に立ち向かおうとした、その時……。
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