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 場所を変えた。横浜港のとある埠頭に来る。  倉庫に背を預けるようにするアカマ。その隣で、エリカは海を見ている。美しい横顔に思わずため息が出た。  2年ほど前から横浜を中心として活動を始めたエリカ。噂はすぐに裏社会に広まった。凄腕な上に、若く美しい暗殺者がいる、と……。  銃火器やナイフの扱い、格闘術まで超一流であるエリカと、トムの采配で以前一緒に仕事をした。アカマは露払いのようなものだったが、ともに完璧と言える仕事をこなし、認め合っていた。  「説明してもらえる?」  エリカが横目で睨んでくる。ナイフのような視線だ。  「わかった。話すよ。俺のつまらない過去も含まれるけど、いいか?」  無言で頷くエリカに、アカマは大きく深呼吸をしてから話を始めた。  あれは数ヶ月前の出来事だ。横浜の街中を歩いていたアカマに、突然小さな女の子が駆けよってきた。  「お父さんっ!」  そう叫ぶように言う少女。目が合った瞬間に衝撃がはしった。この娘と何か通じるものがあると感じたのだ。  しかし、覚えがない。いったいなぜ……?
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