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 そこに写るのは紛れもなくアカマ本人だった。そして、隣りに立っているのは、以前パートナーとして暗殺活動をしていた、ナミという女性だ。  組んで命がけの仕事をするうち、お互いを想いあい、愛しあうようになった。  だが、まともな生き方はしていない2人だ。  ある日、ナミは暗殺者を引退し、一緒に普通に暮らしていきたいと言った。  しかしその時アカマは、大きなプロジェクトに参加していた。財界の大物を暗殺するものだった。なので、今は無理だと応えた。  すると数日後、ナミは黙って姿を消した。  しかたない、とアカマは思った。大きな喪失感を覚えながらも、裏社会で生きる者の定めだ、と……。  「ナミさんは身ごもっていたのね? だから急に一緒になりたいと言った。でも、それを知らないあなたは応えられなかった。その子供が愛奈ちゃん?」  エリカが更に訊く。  「ああ、そういうことだ」  ナミは病気で亡くなったらしい。それもショックだった。  「ナミさんのためにも愛奈ちゃんを育てようと思った、っていうわけ?」   「いずれはそうしたいと思っている。だが、今すぐは無理だ。俺は暗殺の仕事しかできない。そんなのが父親になるわけにはいかない。だから、これから修行して、一般人、庶民、一般市民? とにかくそういう者になろうと思った。ホームの事業にもボランティアとして関わろうと思っている。いずれまともになって愛奈を引きとり、実の父親だと言える日を迎えたい」
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