[nowhere else to go…]

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 翌朝、私はいつもよりもスッキリと目覚めることができた。毎日二度寝しなければ身体がだるいのに不思議だ。 『なんか、爽快』  朝の豆乳を飲み、朝ごはんを食べ、元気に登校する。学校の門を潜るとなんだか騒がしい。 「当たった! 一枚しか買ってない宝くじで3万円だー!」 「すげー、ガチャでSSR4枚も出ちまった」 「今日、告白されて......」  私の近くで急にあがる歓喜の声の数々。これはマズい、と思った頃には手遅れだった。校門から凛が走ってくる。 「乙華! あなたの能力が出てますわよ」 『えっ......』  私の能力はーー小さな幸運。半径5m以内の人に自動的にちょっとした良いことを起こさせる能力だ。そういえばそうだった。私はこの能力が出ると今ではまともに学校生活を送ることさえままならない。 「早く! 人の少ないところに!」
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