[nowhere else to go…]

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 凛は飴の瓶を揺らすとカラカラと硬い球体がかちあう音が漏れた。 「この飴、あと3粒しかありませんよ?」 『凛の力でなんとかなったりしないの?』 「私の力で一生言葉が発せないようになっても良いなら、手当たり次第言葉を抜いて差し上げても良いんですのよ』  凛の能力は対象から過去に放たれた言葉を見て、対象からその言葉を奪う力だ。しかし、今回は役には立たない。 「まぁ、でも治癒……制御……そんな感じですわよね。能力を持っているのに、空白に取り込まれるなんて間抜けなお仲間が居たってことですものね」  なにも思い出せない。 「きっと、影の薄いやつだったんですわね」 『いや、それはない気がする』  だって、私は彼がいなくてスッキリしているから。  彼のことを思い出さなければならない。けれど、こうしていても埒があかない。空白病はメモやノートを見てもピンと来ないらしいので、がむしゃらに探しても無駄だろう。 『寝よ』 「お得意の現実放棄ですの?」  私は凛にもたれかかって、”すぅ”と息を一息ついた。私が物事を考えるとき、1番頭が働くのは寝る直前だ。つまり。   『夢が全部解決してくれる』  おやすみ、凛ーー
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