テロリスト塩田と愉快な仲間たち

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「これは……。なんのさわぎ!?」 失神者が続出した、塩田のキラキラテロ。 監督はそばで、部のマネージャーとうちあわせをしていたが、異変に気づきやってきた。ボブへアが特徴の、婚期をのがしたアラフォー女性だ。 「監督ぅ! 全ては塩田の顔のせいです!」 ビシッと敬礼をする西宮。塩田を売った。 「そうです。塩田がキラキラテロをおこすせいです!」 悪のりする佐竹。現状をたのしんでいる。 「あの、なぜか皆倒れてしまって。俺のせいだっていうんですが、いまいちピンとこなくて。さわぎになってしまい、すみません」 塩田がうるうるした瞳、キラキラな顔で監督をみつめる。 「はぅあ! まぶしい!」 監督は一瞬のけぞったが、なんとかもち直す。そして西宮の方をむいた。 「なるほど。事情はさっした! まずはこいつらを、おこさなくちゃねえ!」 監督は、両手の指の骨をならしてさけぶ。 「お前たち、いつまでねてるんだい! いい加減におきな!」 スパーン! パーン! 監督は、片っぱしから失神している生徒の両頬を叩いてまわる。それがきつけになり、それぞれ目をさましていく。 「な……なんだか、すごくまぶしいものをみたような?」 副部長の宮前が、片手で左頬をおさえながらおきあがった。 「おお、宮前! 復活したか!」 宮前はすこしの間ボーッとしていた。しかし、はっと気づいて西宮にいった。 「部長! いま、何時ですか! 試合は?」 「安心しろ、宮前ェ! まだ試合開始10分前だ!」 親指をたてて笑う西宮。 他の失神したスタメンも目を覚まし、ゆっくりおきがる。 「よーし。全員、おきたね! じゃあいまから簡単なミーティングをやるよ!」 手を叩きながら声をはる、監督。 「まずはオーダー! ダブルス2、磯山ツインズ! 景気よく勝ってきな! 続いてダブルス1、西宮・宮前ペア! うちの看板ペアだ、確実に勝つよう堅実にいけ! その次、シングルス3。田辺! 王子中をいきおいづかせないように、しっかりおさえるんだよ! そしてシングルス2! 今回だけのゲスト出場、塩田! 佐藤がくるはずだから、全力で勝ちにいけ! 最後にシングルス1、赤星! ここまできたら勝つしかないよ! 気をぬかずにいきな!」 監督は腕組みをして激をとばす。 「試合までまだ時間がある。全員入念に、アップするんだよ!」 監督の言葉にスタメン全員の声がハモった。 「はいっ!」 試合がはじまるまでの間、ストレッチをするスタメン。審判が審判台に座り、選手召集のアナウンスした。
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