シングルス2

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その後も試合は一進一退。 サーブ権は塩田に移る。 佐藤の上からボールを打ち下ろす技(スマッシュ)が火を吹き、ゲームカウント2-4。 佐藤リードのまま、次のゲームへと移行する。 チェンジコートをして、塩田が再び、恋仲中のスタンド側のコートにつき、佐藤が王子中のスタンド側に戻った。 サーブ権は佐藤に移る。 佐藤のサーブになんとか食らいつき、塩田がゲームを取った。 ゲームカウント4-3。 佐藤有利のまま次のゲームへと移る。 サーブ権は塩田に移る。 塩田の左右に動かす作戦が効き、次のゲームも塩田が取った。 ゲームカウント4-4。 両者譲らないまま、あと、2ゲーム先取した方が勝つところまで来た。 サーブ権は佐藤に移り、ボールパーソンからボールをふたつもらうと、ひとつをポケットに、もうひとつを数回地面にバウンドさせてから上へと投げ、サーブを打つ。 塩田はそのボールをなんとか空高く上がり、ゆみなり落ちてくる球(ロブ)で打ち返した。佐藤はそれをコートの角を狙って斜め(クロス)に打ち返し、1ポイント先取した。 審判がコールする。 「15-0!」 佐藤がズボンのポケットからボールを取りだし、サーブを打った。 ボールがサーブが打てる範囲内の外角側(ワイド)に打たれ、コートから大きく離れてしまう塩田。なんとか、斜め(クロス)に打ち返すが、ネット際に上がっていた佐藤に|縦のライン方向に角度をつけてノーバウンドで打ち返す(アングルボレー)を決められる。 審判がコールする。 「30-0!」 あと2ポイント佐藤に先取されると、ゲームカウントが5-4になって、あと1ゲームとれば佐藤の勝ちになる。 このゲームは大事な分岐点。二人にとって取っておきたいゲームだ。 佐藤がボールパーソンからボールをふたつ受け取り、一方をズボンのポケットにいれ、もう一方を数回地面にバウンドさせてから、サーブを打った。 ボールはあっという間にネットを越え、地面をバウンドし、塩田へと向かってボールが飛んでいく。 塩田はコートの縦の長さを決める奥のライン(ベースライン)から後ろに1メートルほど下がって、それを両手持ちで打ち返した。 しばらく斜め(クロス)に打ちあっていたが、塩田が時々まっすぐ(ストレート)に打ち返し、佐藤を左右に振り回しだした。 それが功をそうし、佐藤が打ち損じた。ボールがネットにぶつかる。 審判がコールする。 「30-15!」 佐藤がボールパーソンからボールをふたつ受け取り、サーブを打った。 ボールはネットを越え、サーブが打てる範囲内の外角側(ワイド)に打たれた。 塩田はそのボールを追いかけ、一時的にコートから離れてしまう。 なんとか斜め(クロス)に打ち返し、ネット際に上がる塩田。 佐藤が|縦のライン方向に角度をつけてノーバウンドで打ち返す(アングルボレー)を打つが、それを見越していた塩田がそれを拾い、スライス回転をかけてネット際におとす技(ドロップショット)を決めた。 審判がコールする。 「30-30!」 佐藤がボールパーソンからボールをふたつ受け取り、ひとつをポケットに、もうひとつを真上へあげてサーブを打った。
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