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運命
そして数ヵ月後。
桜が咲き始める季節。
塩田は無事に、推薦入学した高校の門をくぐる。都大会以後、受験勉強に時間が取られ、佐藤とは会えないまま、数ヵ月がたっていた。
このまま会いに行かなければ、縁も薄くなるのかなあなんて少しがっかりしながら、職員室へと向かう。
数日後にある入学式で、入学生総代としてスピーチをする事になったからだ。
話によると、入試トップが塩田の他にもう一人いて、ふたりでスピーチをする事になってしまった。今日はその顔合わせもかねて呼び出されたのだ。
職員室へと着き、ドアをノックする塩田。
ドアを開け、中に入るとそこにはーー
「佐藤?」
「塩田!」
佐藤拓磨がいた。
どうやらこの縁、まだまだ続きそうな気配。
ふたりが運命に気づくのは、まだもう少し先の話。
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