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私流ミステリーの書き方(作品解説含む)
これは誰かに向けてというより自分が道に迷った時の備忘録的に書いておこうと思って書いている。
昨晩、松本清張のドキュメンタリーを観て、多少なりとも反省していたので。
未来の自分がブレた時にでも読もうかと思っている。
まずプロット。
プロットは書かない。前にも書いたがスティーブン・キングがそうらしいのであながち間違っていないのだろう。それから確か日本の作家でもいたなあ。最近ネットの記事で読んだ。大沢在昌だったかもしれない。
松本清張もプロットは書かないみたいだったし(じゃなきゃ作品のど真ん中から書き始めたりしないだろう)。
プロットは書かない代わりに普段からニュースとかネット記事とかにはアンテナを張っておく。何に使えるか分からないので。全然関係ないものがいきなり結びついたりすることも少なくない。
以前にも書いたがそもそも事件マニア。事件ネタを調べるのが趣味。気になった事件は裁判の結果まで追うクセがある。あと社会問題にも興味がある。繋がってるものだしね。趣味はすでに三十年は超えている。
例えば『みなと町探偵の日常事件簿』の第二章。そんなに古くない事件だから覚えている人もいるかもしれない。神奈川県で路上生活者のおじさんが学生に理不尽に殺された事件。猫を飼ってるのも気に食わなかったそう。逮捕されたのは、こういったら悪いが有名大学ではない大学の学生。だが不起訴になったので前科なし。それが許せなくて書いた(結末は違っているけど)。
それから第四章。児童虐待は確かに虐待する方が悪い。悪いけれど、本当にそれだけでいいのか。子どもは本当にそれが辛いとだけしか思ってないのか。それが言いたくて書いた。
第五章はジェンダー問題。意外と自分の性自認に気がつかないこともあるかもしれない(それは外からの刷り込みで)と思って書いた。
第六章は年金の不正受給。第八章は臓器売買からの生体肝移植について。第九章はジェンダーというよりも性癖かな。第十章はプチ・エンジェル事件がほんのり出てくる。
『Lust For Life』は貧困からのヤクザから始まり、風俗・ジェンダー・貧困ビジネス・補助金の不正受給・外国人の不法就労とか。てんこ盛りすぎるだろw
そもそも友人の息子がほとんど騙しで知らないうちにヤクザになってたことが発端で思いついた。
『おっさん探偵とJK助手』だってそもそも息抜きで書いたはずなのに、たぶん意味を持つ話になると思う。
何なの?サガなの?w
まあ作品解説はそれぐらいにして。
とにかくいつもニュースとか見てなんかは考えてる。それを頭の引き出しに雑に詰め込んでるかんじ。
そして何かの拍子に話が降りてきて、そこから詰めていく。
主人公は男なのか女なのか、年齢はいくつくらいなのか、職業はなんなのか。
舞台はほぼ神奈川県。そして横浜。何故ならそこしか詳しくないから。
例えば私は東北の宮城県仙台市出身なのだが、間違いなく横浜市の人とは考え方が違う(そしてもう仙台のことはほとんど分からない)。それをいったら東京都と横浜だって違う。東京だって足立と世田谷では全然違う。だから知ってるところを書くのが早い。早く書きたい人なので当然舞台は横浜、ということになる。
ミステリーといえばトリック。
申し訳ないが、私の作品のトリックは凝っていない。そもそもトリックらしきものがない。
伏線回収のクライム小説とでもいえばいいのかもしれない。
どうしてその事件を起こしたのか。そっちの方が気になるので。
だからネタバレという意味ではあんまコメントは気にしてない。けど犯人や結末が分かるとつい書いちゃう人っているよねw
いやそこはどうでもいい。むしろ分かるように書いてる。〈どうしてその行動を起こすまでに至ったのか〉が重要だと思ってる。
伏線をはる作業には気を使っている。
それ以上に伏線回収に気を使っている。
これはミステリーではないので比べるのは申し訳ないが、どこぞの難病を患う同級生が通り魔に殺される結末とかいうのはどう考えてもないなと思う。
(まあ、そういう無理めのドンデンが流行ってるのは知ってる)
それを自分がやりたいかと自分自身に問えば、やりたくない。絶対黒歴史になるので。流行りは必ず廃れるからね。
やりたい人がやればいいと思っている。
で、だいたいぼんやり決まったら書き始める。
あとはキャラ任せw
キャラがどう動くかによって話の方向が変わっていったりする。結末が変わることはないが、そこに行き着くまでの過程が変わることなど日常茶飯事。
とにかく無駄な台詞が多い。大丈夫、それは自分でも気がついている。
恐らく商業の編集者からみれば、削れるところなんて山のようにあるだろう。
けどね。ここは声を大にして言いたいのだが、タランティーノの『レザボア・ドッグス』。あのクソみたいに無駄な台詞の応酬からのドンパチ。あれが死ぬほど好きなのだよ。
あと海外のユーモアミステリーの無駄な台詞の多いことw(むしろそこに真実が隠されてたりするんだけど)。それが大好物。これはもう性癖といって過言ではないと思う。
だからやめられない。悪癖だと思う。煙草をやめられないのと一緒だね。
書くのは順番を追って書く。
行き詰まってもクライマックスから書くとかはやらない。
書けなくなっても適当でいいから書く。先に進める。
ほぼほぼiPadのメモに書く。
それをスマホで読む→修正をしていく。
縦式アプリに流す→修正していく。
それを繰り返す。
横書きで書いても縦書きで読んだ時に印象が変わるから、両方でやってみるといいと藤井大洋先生から教えて頂いたのを地味に守っている。
で、そこそこ出来上がればネットにアップする。
今はエブリスタくらいしか使ってないかな。あとpixiv。そもそもページ割るのが面倒くさい。
それから行間を詰めて縦書きにして、それに伴った修正をしてPDFでプリントアウトして実家のおかんに送る。
というところまでが一連の作業。
ああ、大事なことを忘れていた。音楽必須。
書き始める前に必ずSpotifyでその小説用にプレイリストを作る。
ちなみに『みなと町探偵』は日本語の曲。サザンとかユーミンとかがメインかな。普段はユーミンもサザンもあんま聴いてなかった。『みなと町探偵』を書くようになってからよく聴くようになった。
クレイジーケンバンドとか鈴木雅之とかも多いかな。
『Lust For Life』は洋楽。もちろん題名にもなった曲もそうだけど、マネスキンやデュア・リパやカミラ・カベロやウィークエンドとか。
とにかく気に入った曲がないと筆が乗らない。
よく「日本語の曲を聴いてると混ざらない?」と聞かれるが、そもそも集中すると聞こえなくなるので問題ない。でも何故かないとダメ。
ハードロックやメタルは大丈夫だけど何故かラップはちょっとダメかもしれない。なんだろう、たとえ英語でも言葉が強すぎるのかもしれない。
クラシックはレンジが広すぎるので、クラシックもちょっと聴かないかな。
結論
事件ネタと音楽。
あとは〈何が書きたいのか〉を詰めること。それが一番かもしれない。リアルと地続きのものが書きたいので。
『みなと町探偵の日常事件簿』文庫本の表紙はこっちになるかもしれない。
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