みずほたんと言うなかれ

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★ 冷静さを取り戻した白石は、みずほ先輩への嘘の謎かけを詫びたうえで、ひたいをテーブルに擦り付けて頼んだ。 「お願いがありますッ! 彼が告白したら、どうか断ってください!」 「んー、そりゃ断るわよ」 みずほ先輩の平然とした返事を聞いて白石は顔を上げる。 「ほっ、ほんとうですか!」 絶望で一度は壊れた表情だったが、しだいに元の輪郭を取り戻す。 「だってねぇ、かつき君?」 みずほ先輩はかすかな笑みを浮かべて俺を瞳で捉える。 なんで俺の顔色をうかがうんだ? 怪訝そうな白石の目線がみずほ先輩と俺の間を行き来する。 「あの、ちょっとお尋ねしてもいいですか」 「なあに?」 「おふたりの関係っていったい……」 みずほ先輩はらしからぬためらいを見せる。 「え、と、かつき君、言ってもいい?」 俺が下僕として扱われているなんて、おおっぴらに言えるはずがない。俺はともかく、みずほ先輩がドSみたいに思われたらいたたまれない。 けれど傷心の彼女に同情しないわけじゃないし、俺たちは彼女の弱みを握っているのだ。言っても口外することはないだろう。 「――まぁ、白石が秘密にするならいいっすよ」
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